石垣島で住宅等建築、土地売買を計画されている皆様へ
石垣島は、1972年(昭和47年)の本土復帰前後と、バブル期に本土企業資本による投機的土地取引が行われました。
そのたびに地価が高騰し、乱開発の危機的な状況に直面した経緯があります。30年に近い新石垣空港建設問題が解決し
着工した今、三たび土地取引が増加する傾向にあり「ミニバブル」と報道されています。
今回の土地取引増加が前2回と相違するのは、企業資本だけでなく「移住」ブームを背景とした個人取引が増えている点
にあります。マスメディアの過熱気味な「沖縄移住」情報等により、島々の温暖な気候や青い海、緑豊かな自然景観、独特な
沖縄文化に憧れ、癒しを求めて移住される方々が増えています。
その受け皿として、既成市街地や集落近辺でのアパートやマンションなどの建築が増加しておりますが、島の全域で宅地以外
にも農地の売買仲介を含む不動産物件が売買され、地価高騰の一要因と報道されています。
戸建てを望む多くの方々は、郊外の海の見える高台や、海辺近くでの土地確保や住宅建設を要望する傾向にあります。
道路など一定の整備がなされた地域であればご希望はすぐにでも実現できますが、これまで住宅のない地域では、
道路舗装や電気通信、水道などのインフラ整備がなされておりません。
もとより都市計画法に基づく開発行為による宅地分譲ならば、開発許可のさい規制がクリアされ、
各種インフラも整備されることからこうした問題は発生しません。
細切れで売買される事例が多い傾向にありますのでご注意ください。
このことから、石垣市に対し市道や農道など住宅建築を可能とするための道路認定措置を、
建築後は道路舗装、排水施設の整備改善や防犯灯設置、低水圧改善のための水道管布設など、
実に様々なインフラ整備の要望が寄せられています。石垣市では、財政難の事情等からその対応に苦慮しています。
折から団塊世代の大量退職を目前に控えています。つきましては、石垣島への移住を希望され、
土地売買や住宅建築を計画している皆様には、
次の点にご注意いただきトラブルを未然に防いでいただきますようお願いいたします。
「自己決定・自己責任」の原則は、行政用語ではありません。
不動産購入の計画や実践は慎重に、自己責任が原則です。くれぐれもご注意ください。
1.土地を買う、その前に
①その土地に法規制がないか、関係法令を確認してください。
本土復帰時の土地買い占めの経験と乱開発を防ぐ観点から、石垣島で開発を行う場合、
農振法、農地法、森林法や文化財保護法など様々な個別法で規制されています。
また、基盤整備事業による農地改良など公共資本が投資されている土地も多く、
これら個別規制法に抵触する物件もネット上で売買仲介がなされている可能性があります。
購入しようとする土地にどのような法的規制があるか、そもそも住宅建築が可能かを確認してください。
地目が山林原野であっても農振農用地区域に指定されていることがあり、地目のみで判断することは避けてください。
②農地は売買できません。住宅建築も困難です。
ネット上の様々なサイトでは、農地の取得や農地での住宅建設が可能であるかのような誤解を与える情報があります。
農地法の規制により農地は農家以外の売買はできませんし、
農振法に基づく農振農用地では、住宅建築の前に法に規定する除外手続きをとる必要があり、
移住を目的とする住宅建築は困難です。
サイト上では「農家資格を取得しよう!」など、簡易な手続きで農地が取得でき、
農家住宅を建築してすぐに農業を楽しめるようなイメージで農地売買を仲介する事例もありますが、
新たに就農するためには農地法の許可が必要です。
「農振地区・建築不可」と明示している事例もありますから、十分ご確認ください。
禁止されているにもかかわらず農地を売買するために登記手法や何らかの権限設定等により実質的な権利移動があった場合、
告発の対象となります。ご注意ください。
③5,000㎡以上の大規模土地取引は届出の義務があります。
国土法は、乱開発や無秩序な土地取引を防止するため、大規模土地取引について届出を義務付け、
都道府県土地利用計画による審査を行うこととしています。石垣市の場合、5,000㎡以上が届出要件です。
2週間以内に届出せず、あるいは虚偽の届出をすると6ヶ月以下の懲役または100万円以下の罰金に処せられますのでご注意ください。
④自然環境保全条例の届出が必要な場合があります。
石垣市は、独自の自然環境保全条例で500㎡以上の開発行為について届出を義務付けています。
ミニ宅地分譲はもとより、個人住宅であっても建築等を目的とした土地造成に際して切り土、
盛り土がある場合は、本市の同意が必要です。
降雨時の赤土流出等を防止し、自然環境を保全するために必要な措置ですので、
土地を購入されるさいは、土地造成が必要な物件かどうか、ご注意ください。
購入しようとする物件が建築基準法に規定する接道義務を果たしているか十分確認してください。
国道、県道、市道や市が管理する農道に接していない場合、建築はできません。
地域によっては、登記簿上で石垣市有地の地目雑種地が道路の形状で存在し
ているにもかかわらず、現況では原野となっていることがありますが、これは公道ではありません。
これら市有地はもともと国の権限に帰属する財産で、他の目的に利用することが禁じられています。
住宅建築のための公衆用道路として利用することはできません。
⑤インフラ整備状況を確認してください。
その物件に接する道路の舗装状況や上下水道、電気通信、防犯灯など基本的なインフラ整備がなされているか、十分確認して
ください。生活雑排水で周辺の自然環境に影響がないか、確認してください。
2.インフラ未整備地域でも住宅を建てたい、その前に
①財政難で整備要望にお応えできません。
住宅を建築後に、石垣市へ道路舗装整備や上下水道、防犯灯整備などのインフラ整備を要請する事例が増加しています。
国、地方を通した財政難の昨今、本市も財政状況が厳しいことから好転するまで当分の間、
これらの要請にお応えすることは困難です。
②生活雑排水できれいな海を汚さないで。
石垣市では、市街地やいくつかの集落で公共下水道や農業集落排水事業などを進め、
生活雑排水による河川、海浜汚染防止に取り組んでいますが、全島を整備できるのはまだまだ先の話です。
未整備地域では、合併処理浄化槽の設置と汲み取り処理が義務付けられておりますが、
なかには地形勾配によって周辺に生活雑排水が流出したり道路排水に接続して付近の海浜を汚染している事例があります。
敷地内浸透処理もいずれ地下水として海に出ます。
国道や県道、市道など道路排水施設は、雨水処理を目的としており、生活雑排水処理を目的とした接続を禁止しています。
③市道認定には基準があります。
個人住宅の建築を可能とするために市道や農道等の認定を行うことは困難です。
本市の市道認定基準、ご注意ください。
さらに建築後において、私道など進入道路を市道に認定し、
インフラ整備してほしい旨要望される事例がありますが、これも困難です。
また、沖縄県の道路位置指定基準。